接客業はつらいよ! 人生はチキンレース! あけすけビッチかんどー日記!

接客業歴15年のかんどーが綴る、あけすけな日記。人生はチキンレースです。一歩引いた方が負け。たまに小説を書きます。お問い合わせはsaori0118ai2あっとまーくやふーめーるまで。

給料で働く人に「お客様は神様」を押し付けるな

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「お客様は神様」。


調べれば簡単にわかることだけど、この言葉は元々三波春夫さんの言葉です。リンクを読んでいただくとわかりますが、この場合の「お客様」はステージの上の演者に対する「聴衆」のこと。現代社会における「コンビニのお客様」みたいな意味での「お客様」ではないのです。

しかし出典はさておき、サービス業の世界では軽々しく「お客様は神様だ!」とこの言葉を安直思考停止支離滅裂悪習的多用してきましたよね。

日本のサービス業はもうおかしくなりすぎて、一周回って頑固おやじが握る寿司をうれし涙で食べてるよね、と冷笑しています。

 

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日本のサービス業において、

・「お客様は神様」型
・「店主は神様」型

この二つしか無いのか! アホか! と言いたいわけです。違うだろと。店主も店員も客もみんな同じ人間だろと。同じ人間同士、別の場所で会ったら近所の人だったり友達になりえたりする平等な立場で普通に接すればいいのに、と。


そうは言っても日本のサービス業にも良いところはあります。それはお客の立場からすると「いつでも良い接客サービスが受けられる」ということ。これは本当にすごいことで、私は日本に帰国すると(私は現在フィリピンのセブ島に住んでいます)そのサービスレベルの高さに驚きます。

ただ、これだけ「お店」でのサービスレベルが高いのに、駅ですれ違う人がみんなブスっとしていたり不機嫌だったり、街ゆく人から笑い声があまり聞こえないと思いました。(もちろん笑ってる人もいますが、通勤時間帯などに通りすがる人が笑っていません)


日本は気遣い文化、奉仕の精神、察する能力が求められるあまり「生きていてきつい」のではないかと思います。


私も上記の「気遣い」「奉仕」「察する」は一切できないので日本にいる時はそれはきつかったです。特に、何かしらの集まりで自然体で過ごして「楽しかったな」と思っていたところに「あなたの気遣いが足りない態度に〇〇さんはご立腹でした」とかメールが来たときは最悪な気分になりました。その場で言ってくれたらお酌でもなんでもしたのに、あとから別の人に文句を言われても……知らんがなって感じでした。

フィリピンではみんなで食事に行っても、全員分揃うまで待つこともしなければ、お酒も自分の分が来たら飲んじゃいます。乾杯の文化とか無いです。「お前もっと飲めよ!」と笑いながら注ぐことはあっても「暗黙の了解で」目上の人にお酌をするとかはありません。


……話が横穴にそれました。

私は現在セブ島で飲食店経営(屋台)をしていて、売り上げが上がればそりゃあ嬉しいし、屋台の売上こそがここでの生活そのものです。売り上げが良ければ多少気持ちに余裕もできるけど、売上が悪ければ休日だのなんだの言わずに「どうやったら売れるのか」を考え、そのための行動をしていかなければなりません。

そして、自分の考えたメニューや仕掛けが見事にハマってお客さんがたくさん来たときには、えも言われぬ喜びがあります。

「お客様は神様」という言葉をサービス業に使い始めた人は、おそらく経営者でしょう。経営者にとっては、お客さんが来てくれることはダイレクトに自分の生活に直結し、売れた分自分が儲かり、幸せになる。だから神様のように思える気持ちはわかります。

でも、雇われていて、忙しくても暇でも同じ給料だったら……ごめんなさい、私なら暇な方がいいです。気持ちの余裕を持って生きていきたいから。

「忙しいのは良いことだよ!」

というのは経営者や完全歩合制の人だけに適用されると思います。もう、雇用されている人をこれ以上締め付けるのはやめましょう。(私は忙しくなるとスタッフが喜べるようにインセンティブ制度を日本でもセブでも導入しています。暇な場所へ配属されるより忙しい場所に配属された方が得と感じる仕組みづくりです←これこそがうちのポリシー)


そして私の思い描く理想の社会は、資本主義社会であり、ベーシックインカムがあり、国民総事業主制です。

国民全員が確定申告を自分でする。学校でそれを教える。町や村、そしてそれぞれの考えや基質に合ったコミュニティに属し、そこでそういうことが語られる。そういう世の中です。

まあ私が生きてる間はそうならないようなので、社会が変わることなんてあきらめています。夫婦別姓もベーシックインカムも何も私の生きている間には始まらないでしょう。待っている時間がもったいないので待ちません。私は一生涯会社経営と飲食店経営をやり続けます。体はきついけど、やっていて充実感がものすごいので。やったぶんだけちゃんとお客さんの数が返ってくるのでおもしろい。


経営者のみなさんは、給料で働いている人に「お客様がたくさんきて良かったな! やりがいがあるだろう」なんて言わずになるべく還元してほしい。還元の多い会社は、やっぱり働いてる人がちゃんと笑えてます。それでも、ひきつった笑いの人を作り出す悪しき会社がまだある。そうやって病んでいった友達のことを思うと私は今日も胸が痛くて、泣きそうになるのです。


そして、お客さんとしてお店に行ったときは、冒頭に書いた「頑固おやじの言うことを聞きながら寿司を食べる」までしなくていいですが、せめて店員さんを見下さないでください。同じ人間、明日外で会ったら同じ立場の隣人です。

自分の家族や恋人が同じように罵倒されていたら嫌だ、というところまで考えて店員さんと接してください。悪意のないミスには寛容になってください。


もう現場にはいないので「現場からは以上です」と言えないのですが、日本で接客業を20年やった私の心の叫びでした。

それではまた明日。