接客業はつらいよ! あけすけビッチかんどー日記!

昭和のメスの生き残りとして、ぎりぎりまで足掻く35過ぎ、おんな盛り。特技は人を愛することです。継続性はございません。

変なじじいの横に「少しまともなじじい」がいる理由

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朝のマクドナルドで。駅で。携帯ショップで。


今日もじじいが怒鳴っている。バカでかい声で店員の人格否定をしている。合間に挟まれる痰のからんだ咳、耳をつんざくように声と混ざったくしゃみを店員の顔に飛ばす。店員が少しでも「汚い!」という顔をすると、

「お前、今嫌そうな顔しただろ! お客様に対してなんだその態度はァ!?」

と怒鳴る。周りの客たちは心を失くしたような顔でじじいを見ている。


みんな、じじいと関わりたくないのだ。


適切な声のボリュームで話すこともできず、マナーをわきまえないじじい。店員に言いがかりをつけるじじい。店員がうまくあしらった場合、コロッと態度を変えるものの、くだらない世間話に店員をつきあわせ、他の客が店員に用事があっても話せない空気をつくるじじい。

レジでこういうじじいの後ろに大行列が出来ていることも多い。別の店員が「じじいの後ろに並んでしまったアンラッキーな客」を別のレジに誘導できれば良いのだが、なかなかそうもいかず、レジ店員はじじいの応対をしつつ、その後ろに並んでいる客からのプレッシャーに耐え、その場を乗り切らなければならない。




そういう変なじじいは、大抵一人で行動しているのだけれど、二人のこともある。その場合、連れは「少しまともなじじい」であることが多い。圧倒的に多い。


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この「少しまともなじじい」は、変なじじいと同じくらいの歳だったり、変なじじいより十ほど若かったりする。「少しまともなじじい」は全くうるさくないし、店員に偉そうにすることもない。しかし「少しまともなじじい」は「変なじじい」が怒鳴るのをどこかよそ事のように、離れて見ている。


一緒に怒鳴ることもないのだが、変なじじいを止めることもないのだ。


つい先日も、朝のマクドナルドで変なじじいがレジにもたれかかるようにして店員に絡んでいた。ずんぐりとした体形で、服装もだらしない。顔色が悪くずっと痰のからんだ咳をしている。


「何セットがあるってぇ? うんにゃ? 聞っこえねぇよ!! ちゃんと喋れよぉ!」

「アイスコーヒー?? うんにゃ、冷たいのは嫌だよぉ、おい、水は? 水はただでもらえんの?」

「うんにゃ!! さっきのチーズ入ってる? さっきの取り消し! うんにゃ~……どれにすっかな~……ゴホッゴホッ!! ウェーっホ!!!!」


その変なじじいがレジにいたせいで、店のオペレーションが大きく崩れていた。出てくるはずのハンバーガーが出てこなくて受け取り待ちの客が円になってレジを囲んでいた。注文を待っている客たちの列も、どんどん長くなっていた。


変なじじいの声は聞いていてイライラする嫌な声だった。ひどい風邪でもひいているのか、咳とくしゃみを連発し、カウンターに置いてあるほかの人のハンバーガーやドリンクに向けて容赦なくつばを飛ばしていた。


その変なじじいは一人で来ているものだと誰もが思っていた。しかし、注文が終わり、トレーを受け取ったじじいのもとに、もう一人じじいが現れたのだ!!

「横っつぁん、席こっちね」

変なじじいと同じような安っぽい素材の服を着ているが、どことなく清潔感があり、身体も細身。眼鏡をかけてキャップをかぶった「少しまともなじじい」だ。変なじじいは「横っつぁん」と呼ばれて機嫌が良くなったのか、ニコニコしながら席につく。相変わらず汚らしい咳をしているが、「少しまともなじじい」と世間話を楽しみ始めた。


その内容はひどくおだやかだった。


近所の誰々が最近公園に来ないとか、誰々の顔を最近見てないとか、この間誰々と顔を合わせた、とかそういう話だ。


客の入れ替わりが早いマクドナルドでは、もう「変なじじい」がレジでクレームをつける瞬間を見た人はおらず、二人は「普通の客」としてほかのテーブルに混ざっていた。(わたしは入り口からずっとこの二人を見ていたけど)




……この「少しまともなじじい」はなぜ、変なじじいとつるむのでしょうか?

 


変なじじいがヒートアップしすぎたときには止めに入ることもあるけど、基本、変なじじいのやりたいようにやらせています。


あれですか? わたしが知らないだけで、じじい社会では「変なじじい」には監視役の「少しまともなじじい」が付く決まりでもあるんでしょうか……?

「横っつぁん当番」みたいなのが町内で決まっていて、〇月×日は誰々が横っつぁんに付いて歩く……みたいな。それならわかるんです。

もしそういう決まりが無いのなら、「少しまともなじじい」が変なじじいと一緒にいる理由がわかりません。



しっかし、変なじじいの隣にいると「少しまともなじじい」の安定感がものすごい引き立ちます。わたしも携帯ショップで変なじじいの接客に入ることがありますが、そういう時「少しまともなじじい付き」だと話がまとまりやすいです。

コツは、早い段階で「少しまともなじじい」を話に巻き込むことです。

「少しまともなじじい」は基本、自分から話に入らないので、早めに巻き込むのが大事です。変なじじいの言い分がおかしいことを「そりゃおかしいよ」と加勢してもらったり、変なじじいが大声を出したら止めるように目で促したりします。


変なじじいは店員の言うことなど聞かないけど、「少しまともなじじい」の言うことは聞くんです。


あの不思議なじじいの人間関係について、誰かわかる人はいないでしょうか。世の中はわからないことだらけです。


追記:この記事に言及してくれたid:bearcub様によると、こういうじじいは二人で支えあって暮らしていることもある……とのことです。これは全く気づけませんでした! 新たな視点でのご意見をありがとうございます! こちらの記事は深いです!

www.bearcub-blog.com




それじゃあ、また明日!


※「横っつぁん」は仮名です。



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