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接客業はつらいよ! かんどーのよもやま日記!

趣味はスポーツクラブでグループパワーに参加することと走ることです。仕事は接客業です。しばらく下ネタは封印します。

【フィクション小説】そこは穴のあいた村だった

少しえっちな記事



※フィクション小説です。5分くらいで読めます。ちょっと18禁。



そこは
穴のあいた村だった


 そこは、やけに穴の多い村だった。犬が歩いても穴。人が歩いても穴。そして人はめったに歩かない。車で移動することがほとんどの村だった。山に囲まれて、歴史名所にめぐまれた、日本の真ん中あたりにある小さな村。村の名前は仮に「A村」としておく。自然に恵まれた、小さな村。

 穴が多いこと以外は、東京の郊外となんら変わらない。大人は仕事をして、子どもは学校へ行く。年頃になると男と女は二人で出かけるようになる。

 穴は、村において位置を示す指標となった。時として待ち合わせの目印にも使われた。大きな穴が二つ並んだ「ふたご穴」や、大きな穴のよこに小さな穴があいた「親子穴」。

 

 穴の形状は、地面にぽっかりとあくだけではなかった。崖には、女のこぶし一つ入るか入らないかの細い横穴があった。ある日通りがかった若い女が横穴に手を入れた。穴の中は草のような苔のようなシットリとした緑の植物が生えており、女の手を優しく受け入れ、中へ中へと導いた。

「やんだ……この横穴(よごあな)……まとわりついて、きへぇわりぃ……」

 若い女は「気持ち悪い」という意味のことばを残して逃げていった。横穴はぽっかりとその口を崖にむけて、ぽこぽこと並んでいるのだった。女はいちどそこへ行くと、もう一人でそこへは行きたくないと本能的に感じるのだった。

 その横穴の崖はやがて「あいびき谷」と呼ばれるようになった。淫靡な雰囲気がまとわりつく場所だったのでそう呼ばれた。若者より、妙齢の男女のあいびきによく使われた。先にその谷でキスをしているカップルがいたら、次に来た男女はその性交の一部始終を茂みに隠れて見るのが常だった。誰もいなかったら自分たちがキスや性交をするのだが、その場合は「見られているかもしれない」と高揚し、ふだん以上に淫らになるのだった。

 男女の性交は、女の快感のほうが強いと言われている。しかし「あいびき谷」ではそうとも言えなかった。横穴が男の快感を高めるのである。性交のとき、男の珍棒に元気がなければ、男は横穴に珍棒を突っ込む。横穴はぞわ、ぞわと珍棒を中へ導き、草なのか苔なのかわからない植物が絡みつき、ちょうどカリの部分がひっかかるような絶妙な形状をしていた。男は横穴へ珍棒を入れ、数回出し入れをすると、すっかり元気をとりもどして再び女との性交に取り組むのであった。


 そして不思議なことに、いちど横穴へ突っ込んだ珍棒を女のなかへ入れると、女はよがり狂う。横穴で固さを取り戻した珍棒がいいのか、それとも横穴の植物には何か女を狂わせる物質が含まれているのか…誰も明確にはしなかったが、村人のほとんどが心のどこかで横穴を大切に思っていた。

 また、横穴は寂しい男にとってひとときの癒しをくれる穴でもあった。親しい女と別れた男や、愛してくれる女のいない男。彼らは闇に紛れて性交をする男女も眠りについた午前二時、ひとり横穴に珍棒を入れるために「あいびき谷」へ来た。男は時に泣きながら、時に世間への不満をぶちまけながら横穴に珍棒を突っ込む。涙や怒りに震えていた男はいつしかその痛みを忘れ、ただただ蠕動する横穴の絶妙な感触に、腰を前後に振り動かし、世俗の疲れをすべて吐き出すのだった。

 十二月。たくさんの男の白濁液を飲み込んだ横穴にも雪が入り込み、つめたく凍った穴はしばし、穴としての機能を休む。正月も、二月も、まだ寒い三月も休む。そして四月。雪がすっかり消えて春の花が咲き始めるころ、男たちの股間はぱんぱんに膨らみきっている。そして春の息吹。「あいびき谷」は不思議な光景に包まれる。

 横穴から、白い綿のような植物が顔を出すのだ。横穴には雪でなく綿毛が入り口をフワフワと彩る。ああ、春だ……男たちは勇んで早朝の散歩に出かける。まだ今年は誰も突っ込んでいない横穴を見つけると、珍棒をそっと突っ込む。フワフワ、サワサワと春のやわらかい植物が刺激し、カリ首をクイと引っかけて射精欲を掻き立てる。久しぶりの横穴の感触に春のおとずれを感じ、感慨にふける。

「はああ……こでらんにぃなぁ……(たまらないなあ)」

 老紳士も、働き盛りの父親も、若者も、みな横穴に珍棒を入れるのが何よりの楽しみなのである。村に春が訪れ、男に元気がもどり、女は男に恋をする。横穴は、今日も村の男たちを受け入れながら、新緑の初夏をめざして生き生きと躍動するのであった。


完  

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