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接客業はつらいよ! かんどーのよもやま日記!

趣味はスポーツクラブでグループパワーに参加することと走ることです。仕事は接客業です。しばらく下ネタは封印します。

成人式の写真と卒業アルバムの写真を全部捨てた話

生き方・働き方

 

 
 
こんにちは。貫洞です。
※今日の記事は鬱注意です! 改行しますね。











山手線の大塚駅に「写真だけの結婚式」という看板がある。わたしはこの看板を見るたびにとてもせつない気持ちになる。今は「結婚式やるより新婚旅行にお金使いたいから、写真だけ撮った」という人は多い。ただ、田舎育ちのわたしにとっては「写真だけの結婚式」というのは事情がある人とか、そういう人に多いイメージだったのだ。


わたしは上京してきて初めて山手線に乗ったときのことをよく覚えている。鶯谷駅がラブホテルだらけで驚いたこと、そして大塚駅の「写真だけの結婚式」だ。茨城から上京したので、上野から新宿までしか山手線を使ったことがなかった。品川の駅は、上京して5年くらい使ったことが無かった。




話を戻そう。


世間では成人式が執り行われたようだ。

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(ゆかちぃがどんどん可愛くなっていく…!)





わたしは成人式の思い出がない。
成人式に、出ていない。



引っ越しばかりしていたので、今住んでいる場所の成人式に出ても、知り合いが一人もいないのだ。これは当時のわたしにとって想像を超える絶望であり、悪いこともしていないのに、この先の人生を後ろ暗いものだと思わされる出来事だった。若い時期、周りに味方がいないことはものすごく不安だったのだ。正直に言うと、群れたかった。



二十歳になる年、わたしは夜間の短大に通っており、アルバイトと学校のスケジュール調整だけで精一杯だった。わたしは誕生日が成人式の日より後(1月の15日より後)だったので、来年と再来年、どっちの年の成人式に出るのかもよくわからなかった。いいや、とりあえず「来年です」と言ってやり過ごし、次の年は「去年行きました」と言えばいい、誰もそこまで深く詮索しないだろう。そんな風に考えていた。


しかし、アルバイトのかけもちと学校があると、それなりの数の人間と日々関わることになる。ある日、アルバイト先で大して仲良くもない人に、すごく嫌な質問をされた。


「カンちゃん、年明け成人式やろ? どこで出るん?」


その人はわたしに友達がいないのを知っている。誰のこともあだ名で呼ぶと決めているらしく、勝手にカンちゃんと呼んできたが、当然親しくない。ある時は「おまえ、キャラ無いもんな」と言ってきた。わたしはその人が嫌いだった。しかしその人の口調からは、わたしは今年の成人式に出るものらしいという断定感が感じられた。


「今年が成人式なんですか?」


わたしは思わずそう聞いてしまった。主語もくそもない返答だった。


「トボけてもダメやで?   カンちゃん地元に友達おらんのやろ? 今住んでるとこでも友達おらんやろ? どこの成人式行っても居場所ないから行けんっていう、それだけやろ?(笑)」


関西人の周りで何人か笑った。人を馬鹿にするいやな笑いだった。

今のわたしなら「居場所ないねんなぁ(泣)誰かわたしの港になってくれまへんかぁ?(笑)」と返すところだが、当時のわたしはその手のタイプに対する接し方を知らなかった。ただただ、脳内で「友達おらん」「居場所ない」の言葉だけがリフレインしていた。



そう、わたしには居場所がなかった。地元と呼べる土地もない。寂しかった。両親は相も変わらず転勤族を続けており、生まれた場所とまったく違う寒い県へ引っ越してしまっていた。どの土地で成人式に出ようとしても、一人の知り合いもいないのは明白だった。生まれた場所である福岡の成人式に出てみようかとも思ったが、交通費がかかりすぎるし、もはや土地勘も無い。そして、どの地区の成人式に出れば小学校の知り合いがいるのかもまったくわからなかった。



そんなとき、母が電話を寄越してきた。「成人式の写真を撮れ」と言う。1月の何日をあけておけ、そっちに行くからと言う。当時のわたしは病的なまでに写真が嫌いだったので、絶対に嫌だと言ったのだが、親戚が集まるときに必ずその話になるから写真だけでも撮って体裁を整えてくれと言う。

学費も出してくれないくせに、成人式の写真のお金は出すという。わたしはそんな写真にお金を使うなら3万でいいからくれと思った。3万あれば5日間、アルバイトを休みにできるから。アルバイトの休みが5日取れれば、どんなに体が楽だろうと思った。


しかしわたしの希望は通らず、1月某日、成人式の写真を撮ることになった。化粧をしたことがないわたしの顔に、変な粉や赤いものが塗られ、ちっとも似合っていなくて嫌になった。鏡を何度も見せられたが、どうでもいいからと見ないですませてもらった。

着物の色もどうでもいいと言ったが、着物の色と帯の色があまりに合っていないのが気になった。わたしの色彩感覚は少し変で、無意識に組み合わせる色の決まりがある。「この色にはこの色」と自分の中で決めている色でないと落ち着かないのだ。帯の色に注文をつけたとき、母が「そうよね、選びたいよねぇ」と言ってきたので、めちゃくちゃに嫌な気持ちになり、もうどうでもいいと思い、帯の色は一番嫌いな色を指定した。帯の上にはみ出す布みたいな色も、一番嫌いな色を指定したら、おなじような色になってしまうと着付けの人がこまった顔をした。わたしはこのままでいいと言い、そのまま写真を撮った。


レンズの方を見て正面からの写真と、あえてレンズを見ない写真の両方が撮られた。心からどうでもよかった。


その翌日からバイトと学校に忙殺されていると、また母が来た。写真を持ってきたらしい。驚くほどに美しさのかけらもない写真がそこにあった。それを見てわたしはうれしくなった。美しく撮るのが仕事の人達にとって、さぞやりにくい仕事だったであろう。そして、あわよくばこの写真を見合い写真に使おうと思っているであろう母も、さぞ悔しかろうと思ったのだ。

わたしの両親は「高校を卒業したらお見合いをして結婚しなさい」しか言わなかった。女の子は結婚するもの、そう決めていたらしい。男の人と話したこともないのに、結婚なんて誰がするかと思っていたので、写真の出来の悪さに心から安堵した。




わたしはその後の5年で人が変わったようになってしまった。




それまで大嫌いだった男の人が大好きになり、依存することの気持ちよさを覚えてしまった。水商売の世界を知り、化粧を覚え、クラブシンガーの仕事をして、見た目だけを整えるバカな20代を突き進んでいた。


バカな20代の終焉を迎えるころ、わたしは精神を壊し、自分がどこにいるのか本の中から探そうと躍起になった。やっと見つけた本の世界にわたしは逃げ込んだ。そして、自分なりの儀式を行うようになった。


そのうちの一つが「過去の写真をすべて捨てること」だった。


わたしは親へ電話をし、どうしても見たいからと嘘をつき、卒業アルバムと成人式の写真をすべて一人暮らしの家に送ってもらった。届いたそれらを見ることもせず、わたしはすべてまとめてゴミの日に捨てた。アルバム類は古新聞、古本にまぎれさせて捨てた。成人式の写真は写真だけ切り刻んで、外枠は折りたたんで紙ゴミに入れた。


すべてを捨て終えたとき、やっと過去の自分と決別できた気がした。もう、あの恥ずかしい時期の自分はいない。いるのは男好きで軽くチャラチャラとした自分だけ。それでいいじゃないか。

そして、わたしはきっと30歳になる前に死んでしまおう。それがいいと思った。



☆☆☆



…こんなことを思い出すつもりはなかったのに。成人式のニュースを見るたびに、毎年わたしはこのことを思い出す。山手線で大塚駅を通るときにも思い出す。やっぱり、寂しかったんだろうな。


今、わたしは36歳だ。20代のたくさんの人と一緒に仕事をしていて、すごく仲良くしてもらって、時には成人式の話を聞くこともある。そういうとき、わたしはその子が着物を着て笑っている姿を思い浮かべて、「きっとかわいいんだろうな!」って笑いながら言う。

もう、わたしはわたしの成人式の思い出で傷つくことはない。ぜんぶ完全に過去の話だから。むしろ、周りの大事な仲間の幸せにただ目を細めたい気持ちだ。仲間と笑い合うのは、心からたのしいし、相手もわたしを仲間と思ってくれるなら、一緒に笑いたい。わたしはやっと人が好きになれた。



わたしは成人式に参加できなかったし、当時は友達もいなかったけれど、今はこんなにたくさんの笑顔が近くにあって、人を笑顔にしたり自分を楽しくさせることができるようになった。年をとれば人は丸くなると言われているが、本当にそうなんだなと思った。20代は波乱の海に溺れ、もがき、苦しんだけれど、今は本当に幸せだ。


今頃になって、写真に写るのも大好きになった。自撮りとか大好きだ。着物も着られるなら着たい。シブめの色でバシっと決めたい。花魁のコスプレとかしてみたい! お洒落もお金はかけないけど大好き。


今からでも成人式やりたい…(笑)
来年あたり混ざっちゃおうかな。厄年は来るなって言われるかなw 本厄なんだよね…


まぁいっか! 何かの時に着物は着ようっと☆



それじゃあ、また明日!


☆今日の過去記事☆

 

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