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接客業はつらいよ! かんどーのよもやま日記!

趣味はスポーツクラブでグループパワーに参加することと走ることです。仕事は接客業です。しばらく下ネタは封印します。

高身長のスーパーイケメンと付き合ったらアル中だった話

小話・小ネタ

 



こんにちは。貫洞です。


先日、恋の話を書きました。クリスマスにちなんだ恋の話です。5,000字くらい書いてしまいました…。長かったですよね(汗)最後まで読んでくださった方、本当にありがとうございます。

 

keisolutions.hatenablog.com




それで、恋の話を書いていたら別の恋の話を思い出しました。こちらはあまりロマンティックではないのですが、書いてみます。こういう流れになるんなら、もう生まれた時から時系列で書けよ…と言われそうですが、記憶の断片がよみがえるたびに書いてる感じなので、何卒ご容赦ください。。いつか整理しようと思ってます。






ここから本編です。






当時わたしは27歳だった。アルコール依存症からなんとか抜け出して、キャバクラの呼び込みの仕事を、場所を変えて続けていた。新しい職場での人間関係もなんとか築き、平和な呼び込みの毎日が始まっていた。

キャバクラはお酒を出す場所だから、本来アルコール断ちしている人が働く場所じゃないんだけど、客引きは一日中外にいて、飲むのはもっぱら缶コーヒー。新しく働き始めたキャバクラは結構な大箱だったので、わたしが接客につくこともまず無かった。


道行くサラリーマンに「キャバクラいかがですか?」と声をかけ、なんとか会話に持っていく。「マンツーいけんの?(お客さん一人に女の子が一人つくか?)」とか聞かれたら「大丈夫です!」、「可愛い子いるの?」と聞かれたら「めっっっっちゃ可愛いですよ! なんならちょっと見ていただければ納得してもらえます!」と答えて、お店に入ってもらう。

この職場はかなりの大箱だったので、わたしは時給で雇ってもらい、店内が満卓になったらウエイターの仕事を手伝っていた。左手に銀色のトレイ(トレンチと呼ぶ)を載せて3本の指で持ち、女の子のドリンクを運んだり、アイス(氷)交換をしたり、下げものをしたりしていた。


写真は5本指でトレンチを持っていますが、実際の現場では3本指でトレンチを持つよう指導されました。そして、トレンチは肩より上で持つようにも言われました。忙しいときほどトレンチを高く持って颯爽と歩け…と。結構な重労働ですが、当時のわたしにはいい運動でした。そう言えば、この仕事してるときは何食べても太らなかったですね。


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さて、そんな毎日の中。



わたしは客引きの仕事の合間に、コンビニで缶コーヒーをよく買っていた。そのコンビニで、たまに見かけるお兄さんがいた。そのお兄さんは、多分本業のウエイターさん。背がすごく高くて、190センチくらいあった。外国人と見まごうばかりの、超イケメン。正直、そう簡単に話しかけられない雰囲気だった。


その日もウエイターさんがコンビニで何か買ってお店に戻る姿を見た。わたしは別のお店の客引きの人と駅前で立っていた。しゃべるとはなしに、わたしはつぶやいた。

「あ、ウエイターさんだ」
「⚪︎⚪︎ってレストランの人だな。あの店旨いよ、行ってみなよ」
「行く相手がいないよー」
「客と同伴しろ、同伴w」
「キャストじゃないし無理だよー」
「ハハ……サオリちゃん。店はいいけど、あいつはやめときなよ?」

客引きの人は、会話の最後でわたしを制した。そのときは、なんでだろう? と純粋に思っただけだった。


その後も、わたしはどうしてもそのイケメンを目で追ってしまった。チャンスがあれば話しかけよう、そんな風に思っていた。


チャンスは意外にも早くやってきた。


コンビニで、そのウエイターさんが小銭を落としたのだ。わたしはそれを拾い、ウエイターさんに手渡す。ほんとに190センチありそう。わたしは首を大きく上げないと、ウエイターさんと目を合わせられなかった。

「…あー、いつも見るお姉さんだ。ありがと」
「わたしもよく見かけてました。忙しそうですね」

ウエイターさんは少し身を屈めて笑ってくれた。とても人懐こい笑顔だった。わたしの胸はトクンと鳴った。お互い笑って、その日はそれだけだった。


その日からわたしとウエイターさんは、会うたびに挨拶と何か一言、会話するようになった。たまに笑いあったり。少しずつ、少しずつ、仲良くなった。


2か月くらい経ったある日、ウエイターさんが「ちょっといい?」とコンビニの脇の路地にわたしを誘った。今のお店をやめて、他へ移るということだった。わたしは迷わず、連絡先を聞いた。ウエイターさんは、アッサリと連絡先を教えてくれた。ちょうど翌日はお互い休みだとわかっていたから、わたしたちは初めて、電話で話した。お互いフリーなんだったら、付き合っちゃおうよ、と軽く言われた。わたしは人生で初めて、イケメンの彼氏ができた。


初めてのデートは、それから一週間後だった。


ウエイターさんは、ミキオさんという名前だった。ミキオさんは勉強のために、ちょっと高いレストランのコース料理を食べに行きたいと言ったので、それに付き合う形になった。ミキオさんはワイン選びからメニュー選びの一つ一つが真剣だった。逆に言うと、メニューを見ている間、わたしはほっとかれた。


わたしはペリエを飲んで、ほとんどミキオさんが決めた料理を楽しんだ。途中、何の肉だかわからないフライが出てきた。ミキオさんはにやにやしながら「食べてみなよ」と言う。わたしはフライを口に運んだ。(あー…これカエルだよな…)と思ったが、にやにやしているミキオさんの期待に応えねばと思い、

「…ヒナドリですかね?」

と答えた。ミキオさんはおかしそうに爆笑して、

「サオリちゃん、それ、カエルだよ!」

と言った。「えーそうなんですかー」と一応声に出したが、わたしは正直おいしければなんでも大丈夫なので、特段驚いた顔ができなかった。満足なリアクションではなかったらしく、ミキオさんは不機嫌になった。


その日のデートは食事をして、別れた。イケメンなので許せたが、正直楽しくなかった。



次のデートは、お店を決めずに待ち合わせ場所だけ決めて、居酒屋へ行った。適当に入った居酒屋で、適当に注文をしたら、ミキオさんは出てきた料理に対し、

「マッズイ、食えない」

と言い出した。いくらイケメンでもこの態度こそ食えないぞと思った。ミキオさんは乾きものだけ頼んで、お酒をガブガブ飲んだ。お酒でおなかをいっぱいにしている感じだった。ミキオさんは顔を真っ赤にして、ひとりごとばかり言っていた。

これ以上飲んでいても仕方ないし、ミキオさんは何も食べないし、居酒屋を出て少し歩こう、ということになった。肩を並べて歩いていると、やっぱり少しうれしい。ダメなところはわたしが直してあげればいい。これから一緒にがんばっていこう…とミキオさんを振り返ると、いない。


…10メートルほど後ろで、ミキオさんは立ちションをしていた。


わたしはあわてて駆け寄り、やめさせようとした。

「ちょっ…ミキオさん、ここ道ですよ! お手洗いのあるところ行きますから!」
「いい、もう出ちゃってる(ジョボボボボ)」
「ミキオさん…」

この時点で見切りをつけるべきだったのだが、当時のわたしは変なところで「引き際が甘い」人間だった。もう一度デートしようと、今度はおしゃれな街に誘った。居酒屋の失敗があったので、きちんと美味しいお店を調べてから行くことにしたのだ。


おしゃれな街で待ち合わせをして、食事の時間まで雑貨のショップなどを見て回る。一緒に見ているつもりが、振り向くとミキオさんがいない。あれ? と店内に視線を走らせると、ミキオさんは店員の女の子と仲良く話している。わたしと一緒に来た雰囲気を微塵も出していない。わたしは先にショップを出て待っていた。ミキオさんは、ショップの女の子とひとしきり談笑し「また来るわ」とか言ってショップから出てきた。


「…楽しそうですね」
「ん? いつもこんな感じ。向こうから話しかけてくんの」


…クズだ。この人、顔はイケメンだけど、中身クズだ。その日のデートもやっつけ感満載で、終わった。




そんなミキオさんが、予定より数日早くレストランを退職した。客引きのわたしには、実はけっこういろんなお店の情報が入ってくる。あの店ヤバいよ、そろそろ別の店に入れ替わるよ、とか。あの雑貨屋はオーナーが土地持ちだから絶対になくならないよ、とか。そして当然、ミキオさんが退職予定日より前に「飛んだ(業界用語で連絡無しで辞めたという意味)」ということも耳に入ってきた。


一応何度かデートをしているし、自宅の場所もある程度聞いていたから(飲食店は勤務時間が長いため、お店の近くに家を借りる人が多い)、次の休みにお見舞いに行ってあげることにした。




ピンポーン。

ガチャ。

「あ…ミキオさんこんにちは。具合どうですか?」
「具合? 別に…」
「びっくりしましたよ、お店辞めちゃったって」
「いんだよ、あんな店。もう別の店から声かかってるし、別にいんだよ」

いいんだよ、を「いんだよ」と発音するあたり、なんか酔っぱらってるっぽい。初めて入るミキオさんの部屋だったが、ミキオさんが至って平常営業なのでまったくドキドキしなかった。ミキオさんは、デスノートのLみたいにダボダボの白Tシャツにダボダボ気味のデニムを履いていた。お店でのきちっとした格好からは想像もつかないくらい、クズっぽかった。(Lはあの格好でもかっこいいのに不思議)


「ミキオさん…飲んでます?」
「休みだから? 飲んでますけど?」
「ちょっと痩せましたよね? ちゃんと食べてます? わたしいろいろ買ってき」
「冷蔵庫にチーズあるから取って」
「…はい」

ミキオさんは、冷蔵庫にあった高そうなチーズを小さくカットしてたまに口に放り込んでは、ワインのボトルに直接口をつけて飲んでいた。わたしはお酒を飲まないので(当時断酒継続中)、自分で買って来たお茶を飲んだ。会話はなかった。


「ん、サオリこっち来て」


ミキオさんは急に両手を広げてわたしをベッドに呼ぶ。わたしは困り顔になりながらも、ミキオさんの近くに行った。(顔だけはやっぱり超イケメンだ。背も高いのに、ちょっと痩せすぎちゃってる。これ絶対アル中だよなー)と思いながらも、ミキオさんに言われた通りにせっせと動いた。


ミキオさんは指示を出してくるだけで全然動かなかった。


服を脱がせたり、脱いだりもわたしがやった。ミキオさんを気持ちよくするための行為をして、繋がるときもわたしが上になった。申しわけ程度に最後に体勢を変えて正常位の形になり、抱きしめてくれた。耳元で「サオリ」とささやかれたけれど、そこに愛が無いのは充分理解していた。ミキオさんは、わたしがつけてあげたコンドームの中に、自分のペースで射精した。


射精しおわると、賢者タイムに入ってしまったらしく、ミキオさんは目を閉じた。そのまま深い眠りに入ってしまったようなので、わたしは帰った。


数日、ミキオさんからの連絡はなかった。


あまりにひどいと思って自宅訪問したら、ものすごくめんどくさそうな顔をして

「違うんだよ、思ってたのと」
「違うって、何が?」
「サオリってもっと華やかな人だと思ってた。一緒に酒飲めると思ってた」
「……そう。それは無理」
「だから、無理だから」
「……わかった」



立ちションするくせに。料理がマズいとか大声で言って人を嫌な気持ちにさせるくせに。アルコール入れなきゃ言いたいことも言えないくせに。最終日まできちんと働くことすらできないくせに。何者かになったつもりででかい口たたくだけのくせに。付き合ってるとか口だけだったくせに。


…立ちションするくせに!!!



怒りでわたしはすぐに踵を返して自宅に戻った。二度と会わないだろうと思った。やっぱり、二度と会うことはなかった。


今、あいつがどこで何をしているかは知らない。でも、せっかくあれだけのイケメンなのだから、いい歳の取り方をして、優しい奥さんもらって、かわいい子どもに囲まれてるといいな。料理上手な奥さんだったら、ふたりでお店をやったらいいよ。マスター、似合うよ。お客さんに、おいしいワインを選んであげなよ。飲みすぎてたらそっとお水を出してあげなよ。そして二度と立ちションすんなよ。



わたしがスーパーイケメンと付き合ったけど、とんでもない男だったというお話でした。


それじゃあ、また明日!


☆今日の過去記事☆

 

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