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接客業はつらいよ! かんどーのよもやま日記!

趣味はスポーツクラブでグループパワーに参加することと走ることです。仕事は接客業です。しばらく下ネタは封印します。

鈴木大介著「最貧困女子」 貧乏と貧困は違う すべてのセーフティネットから漏れた人は悲鳴すらあげない

読書

今週のお題「最近おもしろかった本」


こんにちは。仕事は接客業、趣味はジョギングと読書の貫洞です。
通常は接客業について更新しておりますが、ここ最近インプット(=読書)量が非常に多くなっており、良い機会なので連投で本について書いていきます。

接客業をしていると、いろんな人と接するんですよね。本をたくさん読むことは「あの人があの時あんなに怒ったのは、もしかしてこういうことかも」等、感情の紐解きにもなりますし、現代の経済状況を知っておくことは市場を知ることにつながります。本、いいですヨ。


さて、本日ご紹介するのはこちら。

鈴木大介著 最貧困女子

 

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これは小説ではなく、作者が実際に取材をして書き起こした、完全ノンフィクションです。鈴木さん自身は「ルポライター」であり、過去にもストリート・チルドレン(家のない子どもたち)や風俗で働く女性の取材ルポ本を何冊も出しておられます。

鈴木さんのルポでは時折、ぐさりと刺さる箇所があります。
少々閲覧注意な言葉も登場しますので、以下は読みたい方のみスクロールをお願いします。










・ジャンケンができない少女。彼女は親によって指を手の甲側にへし折られ、何年経ってもいくつかの指を握りこむことができないのだ。
「パーしか出せないから、チョキ出されたら100パー負けますね」

・AVのモデルプロダクション社長に、こうした障害のあるAV嬢というのは結構な数がいるのかと聞いたところ、「いわゆる三大NGの現場(ハードSM、アナル、スカトロ)にいる。特にスカトロのAVに出ている女優の半数は知的障害だ」

・「障害のある女性を金にするなら、乱交がいい。乱交イベントの企画業者はまだたくさんあって、普通の女は精神的に壊れる前に肉体的に壊れるが、障害者の女は頑丈」という。何が頑丈なのかと思うが、「骨太」なのだという。

・「やっぱまだ入んねぇか」この一言は、加賀麻衣さん(21歳・仮名)が小学校5年生のとき、母親の交際相手の男に布団の中で投げかけられた言葉だ。


すべてがこんな描写ばかりではありませんが、ここに抽出したようなエピソードが著者を通じて、さまざまな「最貧困女子」によって語られています。かなりエグい話も登場します。

最近よく「女性の貧困」がテレビで特集されていますよね。特にシングルマザーの貧困。生活保護などの受給の仕方を知らず、困窮状態でもなんとか生活してしまう、見えない貧困を可視化しようとする番組や雑誌が増えてきました。

それらのメディアでは、最終的な「落としどころ」に向かって番組が進んでいるように感じます。この本を読んでその感覚が確かな実感に変わりました。


そもそもテレビを見ているのは(視聴率をあげてくれるのは)、普通に働いて普通に帰ってきて夕飯を食べている人。その人に向けて視聴率が取れるように作っているのだから、メッセージ性としては「明日はわが身でもおかしくないですよね!」「こんな身近に貧困があるなんて怖いですよね!」なんです。完全に対岸の火事としての共感。テレビの前の模範解答な会話は「怖いねー」でしょうね。

厳しい意見ですが、他人事に考えていて問題が解決した例なんて無いです。障害者にとって必要なものは障害者の身近な人が考え出したものが多いし、当事者でなくとも、当事者の側にちゃんと渡った人が考えているんです。


鈴木さんの本は、なんていうか、「落としどころ探し」を全くしていない。最貧困女子の側に渡って、ただただ深く掘り下げている。最貧困に位置する少女達の「本当の姿」を浮き彫りにして文章にする。読者の頭の中は散らかったまま。そして、最後にこう言います。


「今の日本は、助けてくださいって言えない人を助けない世の中だ」


そこに救いは無い。救いの無い世の中を作っているのはわたしたち。制度もすぐには変わらない。ただ、本当に助けてほしい人は悲鳴すらあげないという事実は、わたしたちの心の中にしっかりと残ったはず。

わたしはこの本を読んでよかったと思います。


【個人的所感】
一気読み度・・・★★★☆☆
エンタメ度・・・★★★☆☆
社会派度・・・★★★★★
女性向け度・・★★☆☆☆
泣ける度・・・★☆☆☆☆
笑える度・・・☆☆☆☆☆※笑えません…
考えさせられる度・・★★★★★追加でさらに★5つ付けたい




鈴木大介さんが原作に関わっている、この漫画も以前から読んでいて、面白いなぁと思います。続きが楽しみな漫画の一つです。
「ギャングース」

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「最貧困女子」「ギャングース」のどちらも、興味本位で裏社会をのぞくという意味ではエンタメ性も高いし、その中で少しずつ少しずつ読者に問題提起していると思います。

「悪い人達とは遊んじゃだめ!」

より、ギャングース読んだほうが自分で問題を問題と感じる力がつくと思います。


「最貧困女子」「ギャングース」あわせておすすめしておきます。
 

 

多分、明日もあさっても本のことを書くと思います。いっぱい読んだので。
今週末の出張でまた往復4時間くらいの移動がありますから、さらに何冊か読了しそうです。

今日はちょっと重い話でスミマセン…

では、また。

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